Sports x Technologyに関する素晴らしい連載を読んで考えたこと
近年、スポーツにテクノロジーを取り入れパフォーマンス、エンターテインメント性の向上に役立てるというトピックを目にすること多くなりました。しかし実際に運用されている現場視点であったり、市場規模、未来への展望に関する系統的な情報は少なく「Sports x Technology」なんとなくすげえという認識にとどまっていたように思えます。そんな中、下記URLの「Sports x Technology」に関する連載はアメリカの4大スポーツを中心にARやVR、動作解析、統計の利用、観戦におけるインタラクションを改善するシステムなどについてそれらの現場への適用、市場規模、投資状況、未来への展望などが系統的に書かれています。私の紹介文をだらだら読むより本文を読んだ方がよいに決まっているので以下URLです。
以下は本文を読ませていただき、主に行動的な観点から考えたことです。
・Money ball 3.0という概念導入の素晴らしさとMoney ball 4.0
「統計解析の導入」、「トラッキング技術の導入により新たなデータの利用が可能になったこと」、「ファンの観戦をよりエキサイティングにするために提示される情報」と一連のSports AnalythticsのBaseballへの適用が系統立て説明されており目から鱗でした。この概念に便乗させてもらうとMoney ball 4.0は「プレーすること」と「観戦すること」の隔たりを埋めるものになるのではないでしょうか。トッププレーヤーの技術と私たちのようなスポーツ愛好家の技術を比較し即座にフィードバックしたり、VRを使いトッププレーヤーの感覚情報を体感し自分のプレーに反映させるようなシステムがこれに当たります。さらにMoney ball 4.0という概念はスポーツの新たな教育的効果を生み出すとも言えます。Iotなどの普及により実世界の自分に関するデータが増え続ける中で、自分に関する大量のデータを受容し次の行動に活かしていくという情報処理は次世代に生きる人々にとって必須です。
・多くの複雑な情報を観戦者やプレーヤーに受容可能な形で提示する
本文でも触れられている通り多くのスタッツ情報をただ見せられるだけでは観戦の妨げになりますし、自分自信のプレーに関する情報を闇雲に集めてもプレーヤーの技術習得や行動継続の妨げになることがあります。上記のMoney ball4.0との関連でも自分自身に関する情報をうまく利用したり、トッププレーヤーとの定量的、定性的な情報の比較を面白く組み立てていくことを支援するようなシステム、職業が鍵になるのではと考えます(例えば教育領域におけるインストラクショナルデザインやコーチングのテクニックをテクノロジーに取り入れたり)。
・個人的に観戦体験の向上につながると感じる既存のコンテンツ
野球中継における投球時のカメラ角度を一部のMLBやKBOの中継のように少し上からにすると、アウトローいっぱいのストレートがどれだけ遠く感じるか、カーブの落差、ナックルボールのえぐい変化などが伝わりやすいと感じます。
千葉ロッテマリーンズ公式YouTubeチャンネルの広報カメラから感じる臨場感、選手との距離感の近さからファイターズファンの私もいつの間にかロッテが気になっています。
・NBAの中国市場での成功についての補足
1996年にスラムダンクが中国で放映されバスケブームがはじまっていたこと、バスケコートは安価であり90年代後半から中国の学校に大量に造設されてきたこと、ボール1個でできると手軽であったことによりバスケット普及の下地が出来ていたことも要因として考えられるかと思います。少々古い記事ですがスラムダンクが選手になるきっかけだったというお話です。
なお中国人とカラオケに行って選曲に困った場合、スラムダンクの主題歌WANDSの「世界が終わるまでは」を選曲すれば大合唱になり盛り上がれます(n=1)。
・