行動に影響を与える道具を考えたり作ったりしたい

継続、行動の強化、モチベーションアップに関するシステムを沢山作れたらないいなと。たまに株、先物など。

何の価値が上昇し、何の価値が低下していくのか

 

・モノ、コンテンツの価値は低下

 モノ、コンテンツは増え続けている

 しかもより安価または無料に

 需要に比べて供給が圧倒的に多い状態

 人間の時間は有限、一度にできる行動も有限

 相対的に人間の時間の価値が上昇

 (供給が限られている稀少品の価値は上昇)

 

・お金の価値は低下 

 技術的失業の増加、金融緩和しか打つ手がない

 かつてないほどのマネーサプライ

 ベーシックインカムとしての金融緩和

 繰り返される局所的なバブル

 デジタル化領域(仮想通貨、テック系のナスダック銘柄 、DXAI事業をうたっているマザーズ銘柄など)

 に資金が流れ込むしかない状態 

   金利の上昇で資金が抜けつつあるが...

 (注1.木下さんの動画を参照)

 

 

・相対的に人間の時間の価値は上昇

 可処分時間の奪い合い

 例えば中国の企業

 世界最大のユニコーン企業バイトダンスはTiktok(短編動画)とニュースサイト

 テンセントはSNSとゲームと動画サイト

 アリババはECサイト(それだけでは弱いので動画に力を入れている)

 の覇権を握ることで大衆の時間を奪いあっている

 

 

・時間を生み出すサービス、有限な時間の密度を高めるサービスの価値がさらに上昇

 (トートロジー笑)

 1.時短(時間を生み出すもの)

  ex.ネットスーパー、わかりやすいUIUX

   2.既存の行動に新たな意味を加えるもの(特につまらない行動を楽しくするもの)

  ex.つまらない勉強、仕事のゲーム化

   3.既存の行動と一緒にできるもの 

  ex.音声メディア

 

 

・データの価値が高まったこの10年、今後も高まる?

 優良なデータベースを持っている企業の価値が上昇

 時間が経てば経つほど優位に

 効率化とデータを利用した新たな価値創出 

 ex.イーギャラ 、リスクモンスター のこの10年の成長

   米国のGAFA、中国のBATTMDは言わずもがな

 データ周り関連企業、具体的には

 収集、整理、保存、セキュリティ、加工、利用に関わっている企業を押さえておきたい

 

・デジタル化のためのIoTの設備、半導体を支える資源の価値は上昇?

 銅価格の上昇、銀、プラチナなど

 

 

・リアル世界のインフラを支える資源、企業の価値も上昇?

 コンクリート、橋梁、トンネルなど 

 土木、インフラ関連の圧倒的な人材不足

 この辺の土台を支えている企業のPER安すぎでは?

 ex.ベルテクスコーポレーションPER6

 

 

・良いIPを持っている企業の価値は今後も高い

   多くの物とサービスで溢れているが人間の認知資源と時間は有限

 すでに大衆が周知している商品が選ばれやすい(認知と時間の節約)

 

 

 

異論、反論、これが価値を持ちそうだよみたいなのもがあれば教えてください!

不動産、債権、株、ゴールド、仮想通貨の価値の変遷については別途考察し直したい。

 1https://www.youtube.com/watch?v=I-P9sIw5unI

 

 

polca、VALU、Timebankから感じる「社会における個人の行動生起頻度を上げる」という挑戦

 

 価値のないものに無理やり値段をつけて売りさばくサービス、情報教材的情弱ビジネスなどと揶揄されているサービス群ですが、解決したいと考えているであろう社会的な問題と解決方法は興味深く、時代の流れはこちらの方へ行くのではないのかなと感じています。これらのサービスは「社会における個人の行動生起頻度を上げる」という通底した特徴を持っていると考えられます。

 

・彼らが(私も)解決したいと考えているであろう社会的な問題

日本人は民度が低い、とかじゃなく、恋愛しないセックスしない、起業もしたくない、政治参加もしたくない、とにかく世界で一番何もしない人々になってしまったってことじゃないかな。ただ、挑戦してる人や頑張ってる人を冷笑嘲笑するのは超一流で、出る杭を打つのは世界最高、みたいな。日本ヤバイ

— とみ (@meow164) 2017年5月19日

 というツイートがバズってるように「みんな何もしない」、言い換えると「社会における個人の行動生起頻度が低い」ことが社会的な問題なのではないでしょうか。

生きるってことは行動だってことを理解してる人はやっぱり強いな。転んでも何かを得てる。他人の失敗や挑戦に対して外野から論評して終わる人生も心地よいのかもしれないが、自分の人生ぐらいは自分が当事者であって欲しいね。

— Katsuaki Sato (佐藤航陽) (@ka2aki86) 2017年7月30日

 メタップスの佐藤航陽さんもブログやTwitterで社会的閉塞感と行動の問題について度々触れられています。

「生産活動をうまく回す仕組み」を「経済システム」とここでは呼ぶことにして、大前提として自己発展的に拡大していくような仕組みである必要があります。誰か特定の人が必死に動き回っていないと崩壊するような仕組みは長くは続きません。

持続的に発展する経済システムの作り方を考えてみる | 佐藤航陽のブログ

  佐藤さんは「生産活動をうまく回す仕組み」を「経済システム」と仮定して呼んでいます。私は「生産活動をうまく回す仕組み」においては「個々人の生産活動の生起頻度を上げる」ことが重要であると考えます。

 

・現代日本において個人の行動生起頻度はなぜ低いのか、原因と解決策

 主な原因として①インセンティブ不足、②既存のインセンティブが機能していない、③因果の記述に対する主観的な信頼度が低い、の3点が挙げられます。

①インセンティブ不足

 富の偏在(高齢化による人口構成の問題)により若い人が積極的に働いていくための金銭的なインセンティブが不足しています。また市場で取引されにくい活動、例えば家事やボランティア、ゴミ拾いのような活動はもちろん金銭的なインセンティブが不足しています*1。このようなインセンティブ不足の問題に対してTimebankは若く才能のある人の方が価値のある「時間」を市場で取引することで才能のある若い人が資産を築き行動のインセンティブとなるようなシステムの構築を目指しています。polcaは従来では金銭的なインセンティブがなかったような小規模な企画や個人の活動に対して個人が少額融資をすることでインセンティブを作り出し、なめらかに行動が立ち上がる社会*2を目指すシステムと言えるのではないでしょうか。

 その他には身も蓋もありませんが景気が良くなれば使えるお金の量も増えるので行動の生起頻度も上がるでしょう。

 

②既存のインセンティブ設計が機能していない

  何がインセンティブと成りうるかは個体差がある上に、個体内でも時と場合により価値が変動します。実際にその人にとって何がインセンティブとして機能するかは帰納的に模索され、将来的には個々人にオーダーメイドのインセンティブが付加されて行動が立ち上がる世界が到来するのではないでしょうか。このためには多様なインセンティブ設計が必要です。しかし現状では社会には多様性のある複数のインセンティブ設計が存在するとは言えません。「複数のインセンティブ設計が並立する世界」と佐藤航洋さんが提唱されている「複数の経済の中から自分に合ったシステムを選べる世界」を目指すという考えはかなり近いように感じます。

よく誤解されるけど評価経済を作りたいわけでは1ミリも無いんだよな…興味もない。時間の価値を見直す事と、並行する経済を何個も作って経済を選べるようにしたいだけ。その意味では既存の仕組みもそのまま稼働してて欲しいと思ってる。代替する意味は薄い。

— Katsuaki Sato (佐藤航陽) (@ka2aki86) 2017年9月21日

 VALUにしてもTimebank にしても現時点では既存の貨幣(またはビットコインのような貨幣的なもの)によって時間や個人の価値、個人の行動を重み付けしています。それだけ貨幣のインセンティブ機能が強力であるということでしょう。

 貨幣的なもの以外を使用してインセンティブを設計すること(行動を制御すること)は可能でしょうか?中国のように信用情報を活用し人々に適正な行動を生起させたり、VRやAR*3を使ってそこに実際にあると錯覚させることにより行動を生起させるというインターネットのアーキテクチャによるインセンティブ設計が大きな可能性として存在しています。

 貨幣や信用やデザインなどにより複数のインセンティブ設計(行動を制御するシステム)が存在する世界になれば、インセンティブの個体差や個体内での変化にも対応できるようになります。言い換えるとオーダーメイドのインセンティブを提供できるようになります。

 

③因果の記述に対する主観的な信頼度が低い*4

 因果の記述とは「AするとBになる」ということです。例えば「毎日3時間勉強すれば志望校に受かる」や「この厳しい練習に耐え抜けば試合に勝てる」「この仕事を続ければ業績はもっと良くなる」「今日頑張れば明日はもっと良くなる*5」などです。客観的にはどうあれ「AするとBになる」と強く思えるのであれば主観的な信頼度は高いと言えます。逆に「どうせ起業してもダメだ」「勉強しても意味がない」「仕事を頑張ったところで明日は今日より悪くなる」のような記述は因果に対する主観的な信頼度が低いと言えます。因果の記述に対する主観的な信頼度が高ければ結果はどうあれAという行動は生起しやすくなります。ではどうすれば因果の記述に対する主観的な信頼度を上げることができるのでしょうか?

 「AするとBになった」という成功体験があることはおそらく次のチャレンジの成功(AするとBになるだろうという)に対する主観的な信頼度を上げることができるでしょう。またモデルケースが身近に存在することも主観的な信頼度を上げていると言えるのではないでしょうか。例えば「身近に難しい大学に受かる人が多ければ自分も受かると思うので勉強するという行動は生起しやすくなる(受かるとは言っていない)」や「すでに事業モデルがある、成功したケースがあると事業を立ち上げる行動が生起しやすくなる(成功するとは言っていない)」などです。後者については佐藤航陽さんがとても勇気の出る言葉で語られています。

実際は、過去の自分(のような人)に対して「事例」を示したかっただけでした。

先行事例が無いと人間は何かを信じるのがとても難しいんです。自分の未来を信じることができないことほど不幸なことは無いと思っています。

今までやってこれたのも、先行事例を作ってくれた人達が居てくれたからであって、どうしたら良いか解らない時もその「事例」こそが自分にとっての唯一の「希望」でした。

生まれたときからたくさんの可能性が用意されてる人もいるし、そうでも無い人もいます。ゲイツの言うように人生は公平では無いですし、現実の残酷さは否定できないんです。

それでも過去の自分のような人には「人生はこんなものだ、しかたないんだ」と言って欲しくなかったから、できるだけ難しい道を選んで「不可能なことなんてあり得ないし、人間は何者にだってなれるんだ」という事を証明したかったんだと思います。

きっと誰かに貰ったものを返したかっただけなんだろうと妙に納得できました。

それを思い出して、やっぱり『理想』は絶対に捨ててはいけないんだとまた思えるようになりました。

現実を直視しながら理想を持ち続けることの難しさ、人生の「賞味期限」 | 佐藤航陽のブログ

その他に考えられるのは原始的な方法ですが、「AすればBになる」という記述を何度も確認したり、復唱したりすることです。部活の強豪校が目標の張り紙をしたり、練習の合間に復唱したりするあれです。因果の記述に対する主観的な信頼度を上げる方法は他にもありそうです。もしあれば教えてください!

 

・まとめ

「社会における個人の行動生起頻度を上げる」という観点から社会の閉塞感を打破する方法を考えると今現在流行り始めているこれらのサービスの意味や今後必要なサービスについての見通しが立ちやすくなるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

*1)もちろん全ての活動が金銭によって動機付けされる必要はないが、専門的な職能や社会にとって必要な活動をボランティアでまかなおうとするのは如何なものか。

 

*2)家入一真(2017)なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。

https://www.amazon.co.jp/dp/B0747JS1HY/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

 

*3)ポケモンGOなどの位置情報ゲームはインセンティブを新たに空間に作り出すことによって既存の歩くという行動の意味を変えました。

「習慣」「継続」アシスト系アプリ5選〜「行動に新たな物語(機能)を加える」というアプローチ - 行動に影響を与える道具を考えたり作ったりしたい

 

*4)信念の形成のについて、詳しくは長谷川芳典先生のホームページへ

http://diary.hasep.net/13/08/01.htm

 

*5)おそらく日本以外のアジアの国々には明日は今日よりもっと良くなるという漠然とした感覚が共有されている。

 

 

 

宝くじを使ったモチベーション管理、0円で100万円を得る可能性を買う(宝くじを買う行為は愚かなのか)

 

宝くじを買うことは愚か?

 宝くじの払い戻し率の期待値は45%であり、確率的には1万円買っても4500円しか返ってこないことになっています。

 

宝くじは当たればでかい!

 突然ですが宝くじの特徴を利用して富を生み出す方法のご提案をしたいと思います。宝くじの特徴は「1枚200円のスクラッチくじ注1を買った場合、損失は200円と限定的なのに対して利得は100万円となることもあり得る」という非対称性にあります。ダウンサイドよりアップサイドが遥かに大きいのです。

 

1回200円の損失を消す!0円で100万円獲得の可能性を買う!

 しかしまだダウンサイド、つまり1回200円の損失が存在しています。1回あたりの損失は200円ですが試行を繰り返していくと(宝くじを沢山買うと)損失は膨らみます(当たり前です...)。人生からダウンサイドを減らしましょう注2。どこから200円を持ってくるか。未来から持ってきましょう。

 手順

 ①未来において200円以上の価値を生み出しそうな行動をする。普段ならしないような行動を。例えば「眠いけれど30分英語の勉強をする、簿記の勉強をする、上司をよいしょする、業務外のプログラミングをしてみる、早く出社して掃除をする、草履を温めておく」など何でもいいです。あなたにとって未来においてリターン200円を超えそうな行動ならば何でも。

 ②日付、未来において200円以上の価値を生み出しそうな行動、生み出された価値(200円)を適当な紙に書いておく。エクセルに入力するとそれっぽくなります。200円生み出してる感をどれだけ出せるか、自分に思い込ませられるかが勝負です。私はルーズリーフ、スクラッチくじ、その残骸(外れくじ注3)をクリアファイルに入れて手書きしています。エクセルだとこんな感じ

 f:id:xuexikuaile:20171002173832j:plain

  ③ワクワクしながら実質0円で手に入れた宝くじを削る。

 

原理の図解

 x枚目に100万円の可能性注4があるものの、試行を繰り返すたび(宝くじを買うたび)に200円の損失を出していました。

f:id:xuexikuaile:20171003163112j:plain

 

 ここで未来において200円の価値のある行動をすると、

f:id:xuexikuaile:20171003163627j:plain

 「なっなんだってー!0円で100万円を得る可能性を買っていることになるではないか!」

となりました。

 

未来に繋がる行動をどう生み出すか

 狙いは主に2つです。

 1つ目は大きな報酬がもらえる可能性は行動を生起させやすいのではないかということ。実際の確率が低いにも関わらず主観的な確率は高く感じてしまう(宝くじが当たりそうだと感じたり、飛行機が落ちるかもと感じるあれです、確率加重関数で検索してください)という人間の認知の歪みを利用します。

 2つ目は未来において価値を生み出す行動であっても現在において一銭ももらえない行動はなかなか生起しないので、価値を可視化しさらに宝くじという報酬を付随させ行動を動機付けてあげるということをしています。

 

ピンチはチャンス! 

 「もうだめだ...」「辞めたい...」「帰りたい...」と思ったらチャンスです。ポケットのスクラッチくじを思い出して、あと少しだけ頑張って未来における200円分の価値を生み出しましょう。はい!よく頑張りました!あなたは0円で100万円を手に入れるチャンスを作り出しました。おもむろにスクラッチくじを取り出して削りましょう。この記事を書き終わったところで私も200円のスクラッチくじを削りました。この記事が200円分の価値を世界に生み出せばいいなと思って。ちなみにくじは外れでした...

 

 

 注釈

 1) 100円〜200円のスクラッチくじはその場(未来において100円〜200円以上の価値を生み出す行動をした直後)ですぐに削り結果がわかるのでオススメ。300円や500円の当選金額が1億を超える宝くじを使用する場合はバラで買って当選番号が発表された後に上記手順を実行してください。未来において300〜500円以上の価値を生み出す行動をした直後に適当に1枚くじを引いて番号を確認するとよいでしょう。

 

2) ナシーム・ニコラス・タレブ(2017)反脆弱性[上]不確実な世界を生き延びる唯一の考え方  

 3) 外れくじは束にしてとっておくといいかと。「外れて悲しい」ではなくて「こんなに沢山未来の価値を生み出してやったぜ、グフフ」と思えます。あたまおかしい

4) 1万円や5000円などの低中額が当たる可能性は便宜上省略しています。

 

 

「習慣」「継続」アシスト系アプリ5選〜「行動に新たな物語(機能)を加える」というアプローチ 

 突然ですが世は「習慣」「継続」アシスト系アプリ戦国時代に突入しています!ダイエット、勉強、仕事などなど、つまらないけれどもやらなければいけない行動を継続することをアシストしてくれる優秀なアプリの紹介です。どのアプリも基本的な原理は同じで、「つまらない行動に新たな物語を加える」、「つまらない行動の意味(機能)を変える」という戦略を取っています。少し難しく言い換えると「当該行動を制御する変数を増やし、つまらない行動の生起頻度を上げて行動を習慣化する」ということです。では早速アプリを紹介していきます。

 

 1.Habitica

  RPG風のタスク管理アプリです。自分で設定したタスクを完了すると経験値やコイン、アイテムが手に入りタスクの遂行がゲーム化するというアプリです。例えばダイエットのためにランニングをするという行動があるとします。その行動に経験値がもらえるという新たな意味(機能)を付け加えることができるということです。アバターも可愛く手に入るアイテムも楽しいです。

 さて行動により強い物語性を持たせるには大衆がすでに認知しているキャラクターの導入が有効ではないかと考えます。任天堂さん、スクエニさん、この分野への参入ご検討ください!ポケモンGOは駅まで「歩く」やダイエットのために「歩く」という行動にポケモンをゲットするという物語(機能)を加えました。さらにこれを拡張し人間の行動全般に物語を加えてみてはどうでしょうか。

habitica.com

 

  2.みんチャレ

 任意の5人でグループを作り励まし合いながら行動を継続していくアプリです。行動が達成されたことが承認されるとコインが手に入ります。例えばテストのためにやっている英語の勉強という行動があるとします。その行動にチームの仲間が励ましてくれるという新たな意味(機能)を付け加えることができます。一定日数タスクを遂行しなかった場合にはそのグループから退出させられるという機能もありタスクの先延ばしを防ぎます。

minchalle.com

 

  3.stickK

 一定期間にやるべき行動や達成目標を決めてその契約が守られなかった場合に一定額の金額を寄付したり、友達に払ったりすというアプリです。まず契約時に契約が守られなかった場合の罰金額を決めます。当該行動を一定期間の間に遂行しないと罰金を払わなければいけないという嫌悪的な状況を作り出し、その嫌悪的な状況を消失させるための行動を呼び起こします。行動分析学における行動契約という技法を適用しています。

 やらなければいけない行動をしていない状態を嫌悪的な状況にするという技法で有名なエピソードはブラットピット主演のファイト・クラブに出てきます。獣医になりたかったのにコンビニの店員をしている若者に銃を突きつけて「今から死ぬ気で勉強しろ、そして獣医になれ、免許証は預かっている、住所はわかるんだぞ、見てるからな、今度見たときに獣医になるための勉強をしてなかったら殺す。」というシーンがあります。ここまで強烈ではありませんがstickKは嫌悪的な状況を作り出しそれを回避するための行動を自発させます。

https://www.stickk.com

 

  4.Selffunding 自分課金プロジェクト

 今している作業(行動、タスク)の価値を1秒ごとに可視化することによってその作業を動機付けようというアプリです。自分に課金しようというコンセプトです。例えば資格試験のために勉強しているという行動に資格試験に合格したら貰えるであろう金額を可視化することで行動に新たな意味(機能)を加えていると言えます。

www.youtube.com

xuexikuaile.hatenablog.com

 

 5.Time is money 時は金なり

 命=時間であると言えます。時間の価値を可視化し、刻々と減っていく時間(命)の重みを感じることにより行動を自発させるアプリです。刻一刻と時間(命)が失われていく嫌悪的状況を作り出しそれを回避(厳密にはできませんが)するための行動を自発させます。原理的にはstickKやブラッドピッドと同様のやり方で行動の生起をアシストします。

xuexikuaile.hatenablog.com

 

 すみません...後半のアプリふたつは私が製作したアプリです。120円の価値はあると自負しております!ダウンロードしていただければ、その収益でより行動が楽に自発するようなアプリをもっと製作したいと考えています。ステマはともかく、アーキテクチャ(仕組み)を使って、行動に新たな物語(機能)を加え望ましい行動を自発させるというアプローチは大きな潮流であると考えています。その代表的な例としては社会信用スコアによってより良いサービスが受けられる芝麻信用が挙げられます。社会的に望ましい行動をすれば得になるという新たな物語(機能)を加えることで社会に望ましい行動を増やそうという試みであると言い換えることができます。

 

アーキテクチャによる規制を通じた社会安定化のシステム

損得勘定と仕組みづくりでユーザーの倫理観を向上させる(社会にとって適正な行動を引き出す)


 

 

 

 

追記ステマ

シンプルなお金タイマー、タスク管理アプリもあります。

給与タイマー

給与タイマー

  • jyun yamada
  • Education
  • $0.99

 

Task game -作業達成カウンター

Task game -作業達成カウンター

  • jyun yamada
  • 仕事効率化
  • ¥120

 

 

 

 

 

Sports x Technologyに関する素晴らしい連載を読んで考えたこと

 

近年、スポーツにテクノロジーを取り入れパフォーマンス、エンターテインメント性の向上に役立てるというトピックを目にすること多くなりました。しかし実際に運用されている現場視点であったり、市場規模、未来への展望に関する系統的な情報は少なく「Sports x Technology」なんとなくすげえという認識にとどまっていたように思えます。そんな中、下記URLの「Sports x Technology」に関する連載はアメリカの4大スポーツを中心にARやVR、動作解析、統計の利用、観戦におけるインタラクションを改善するシステムなどについてそれらの現場への適用、市場規模、投資状況、未来への展望などが系統的に書かれています。私の紹介文をだらだら読むより本文を読んだ方がよいに決まっているので以下URLです。

https://note.mu/sportstechnow

 

以下は本文を読ませていただき、主に行動的な観点から考えたことです。

 

・Money ball 3.0という概念導入の素晴らしさとMoney ball 4.0

「統計解析の導入」、「トラッキング技術の導入により新たなデータの利用が可能になったこと」、「ファンの観戦をよりエキサイティングにするために提示される情報」と一連のSports AnalythticsのBaseballへの適用が系統立て説明されており目から鱗でした。この概念に便乗させてもらうとMoney ball 4.0は「プレーすること」と「観戦すること」の隔たりを埋めるものになるのではないでしょうか。トッププレーヤーの技術と私たちのようなスポーツ愛好家の技術を比較し即座にフィードバックしたり、VRを使いトッププレーヤーの感覚情報を体感し自分のプレーに反映させるようなシステムがこれに当たります。さらにMoney ball 4.0という概念はスポーツの新たな教育的効果を生み出すとも言えます。Iotなどの普及により実世界の自分に関するデータが増え続ける中で、自分に関する大量のデータを受容し次の行動に活かしていくという情報処理は次世代に生きる人々にとって必須です。

 

・多くの複雑な情報を観戦者やプレーヤーに受容可能な形で提示する

本文でも触れられている通り多くのスタッツ情報をただ見せられるだけでは観戦の妨げになりますし、自分自信のプレーに関する情報を闇雲に集めてもプレーヤーの技術習得や行動継続の妨げになることがあります。上記のMoney ball4.0との関連でも自分自身に関する情報をうまく利用したり、トッププレーヤーとの定量的、定性的な情報の比較を面白く組み立てていくことを支援するようなシステム、職業が鍵になるのではと考えます(例えば教育領域におけるインストラクショナルデザインコーチングのテクニックをテクノロジーに取り入れたり)。

 

・個人的に観戦体験の向上につながると感じる既存のコンテンツ

野球中継における投球時のカメラ角度を一部のMLBKBOの中継のように少し上からにすると、アウトローいっぱいのストレートがどれだけ遠く感じるか、カーブの落差、ナックルボールのえぐい変化などが伝わりやすいと感じます。

千葉ロッテマリーンズ公式YouTubeチャンネルの広報カメラから感じる臨場感、選手との距離感の近さからファイターズファンの私もいつの間にかロッテが気になっています。

www.youtube.com

 

NBAの中国市場での成功についての補足

1996年にスラムダンクが中国で放映されバスケブームがはじまっていたこと、バスケコートは安価であり90年代後半から中国の学校に大量に造設されてきたこと、ボール1個でできると手軽であったことによりバスケット普及の下地が出来ていたことも要因として考えられるかと思います。少々古い記事ですがスラムダンクが選手になるきっかけだったというお話です。

business.nikkeibp.co.jp

なお中国人とカラオケに行って選曲に困った場合、スラムダンクの主題歌WANDSの「世界が終わるまでは」を選曲すれば大合唱になり盛り上がれます(n=1)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高齢者の片付けられない、ゴミ屋敷問題に対処する(n=1)

 原因として高齢により身体的に片付けをするのがきつい、認知機能の低下、もともと片付けの習慣がない、物への執着、溜め込み障害(Hoarding Disorder)などが考えられます。これらは行政、介護福祉、医療による対処が必要です。

 個人で対処できることとしては外的な環境の調整があります。個人的に割と上手く行った方法を共有しようと思います。もちろんn=1の結果なので一般化できるかはわかりませんがもしかしたら再現性があるかもしれません。

 介入の対象者:祖父、85歳。もともと片付けをする習慣がなかった。祖母の死後、ゴミ屋敷化。腐った食事、ゴキブリ、コバエに服、紙、新聞などが混在。片付けをしようとすると「まだ食べられる」「物を捨てるな」「何処に何があるかわからなくなる」と抵抗するなど。本人は一人暮らしを強く希望。

 失敗した介入 : 何度かゴミと思われ物を全て捨て、服や紙、新聞を整理整頓しましたが本人にとって使いやすいレイアウトでないこと、生活の動線に物がないことから、結局元の汚い部屋に戻りました。

 割と成功した介入:細かく収納する片付けは不可能なので(身体的にも、過去からの習慣的にも)、本人の生活の動線上に大雑把に物を置いてもらうことにしました。ボックスやタイルを敷いて「大雑把にこのスペースには服、食べ物、紙類を投げ入れておいてくれればいいよ」という感じにしました。

f:id:xuexikuaile:20170309105642j:plain

この辺に食べ物はおいてください。

f:id:xuexikuaile:20170309105709j:plain

この辺に服はおいてください。

とこんな感じで大雑把なスペースを決めました。

  2,3週間に1度は整理をし直すことが必要でしたが、それぞれのスペースに物を置き直すだけなので介入する側の心労も減りました。この介入方法で90歳まで5年間きれいとは言えないまでもQOLは保たれた生活の手助けができました。

  内因に目が行きがちですが外的環境を少し変えることで本人の行動を変化させることができることもあるという例でした。環境を作りかえること、動きの中を意識したインタラクションデザインを作ること*1、を考えて対処するとよりQOLを上げることができるのではと考えます。

 

*1 消極性デザイン宣言より

消極性デザイン宣言-消極的な人よ、声を上げよ。……いや、上げなくてよい。

消極性デザイン宣言-消極的な人よ、声を上げよ。……いや、上げなくてよい。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

「Time is money -時は金なり-」という時間の価値を体感し行動を立ち上げるアプリを作りました。

 「時は金なり」、「時間はお金より貴重だ、二度と戻ってこないから」などと言われますが体感として時間の価値を感じることは難しいですよね。このアプリは時間の価値を可視化し、二度と来ない現在の価値を感じたり、それにより行動を立ち上げることを目的としています。

 

Time is money  -時は金なり

Time is money -時は金なり

  • jyun yamada
  • Productivity
  • $0.99

 

 
 時間の価値を表す方法として「毎日あなたの口座に86,400円が振り込まれます。しかし貯めることができないお金です。1日経つとなくなります。そうこれは86,400秒つまり1日という時間です。」という言われ方がされます。分かりやすい例えで、この話を聞いた瞬間は時間は大切だと思うのですが、この思いは長続きしません。実際に価値が減っていく様子が見えないからです。時間は見えないので。そこでバーチャルですが、振り込まれた時間の金銭的価値が減っていく様子を可視化し、時間の価値を感じ続けようというのがこのアプリのコンセプトです。
 
 使い方ですが、まず目標、作業内容などを入力してください。ただ時間の価値だけを感じたい時は「Time is money」と入力してください。
 次に自分にとっての1時間の価値を入力してください。例えば今何らかの活動、仕事、勉強などをして未来に富を生み出すと考えられるのであれば多めの金額を入力していただいて構いません(例えば受験勉強の生涯賃金への影響を時給1万〜20万とする考え方もあります)。1時間の金銭的価値がうまく想像できない時は6,000円で入力していただくと区切りもよくわかりやすいかと思います。
 次にカウントダウンしたい時間(分)を入力してください。1日の金銭的価値を可視化したいのであれば1440分(1日)と入力してください。半日の金銭的な価値ならば720分、その他自由に60分、15分など自分が今可視化したいスパンで入力してください。
 STARTボタンを押してください。可視化された時間の価値がカウントダウンされます。RESETボタンでリセットされます。SHAREボタンでSNSでのシェアができます。
 
 使用例
・起きている時間の金銭的価値を実感したいのであれば、朝起きた瞬間に1020分(17時間、だいたい起きている時間を自由に入力してください)で入力していただいてSTARTする。
・1日ならば1440分。
・今やる気が出なくて直近15分だけの金銭的価値を感じて行動を起こしたいというのであれば15分と入力するなどです。
 
 最後にこのアプリを作った理由と理論的背景を少々お話しします。
 理論的背景は「何かを失っていくという不安を作りだし行動を立ち上げるという行動分析学で言うところの嫌子消失による強化」をもとにしています。企業家の自伝を読むと彼らが人生のかなり早い段階で自分が死ぬことを意識していることに気づかされます。おそらく彼らは人生が有限であるということを早い段階で意識することにより、死への不安、欠乏感を埋めるために大量の行動を起こしているのではないかと考えられます。彼らが持つ強い生の有限性に対する意識には及ばないかもしれませんが、常に減りゆく時間の価値を可視化しカウントダウンすることにより、やらなければならないのになかなか立ち上がらない行動やいつかやりたいと思いながら今は面倒臭いなと思ってしまうような行動が立ち上がればと思いアプリを制作しました。